先日来つけております、112日の京都・彩ふ読書会の振り返り、最終回をお送りしたいと思います。前々回は午前の部=推し本披露会の模様を、前回は午後の部=課題本読書会の模様を、それぞれ紹介しました。読書会本編の話は以上になりますが、彩ふ読書会では読書会終了後も会場を借りて、参加メンバー同士の交流の場を設けています。この時間は「ヒミツキチ」と呼ばれたり「オトナの学童保育」と呼ばれたりしています。一応正式名は後者のようですが、僕はある時期から「ヒミツキチ」の方を積極的に使っているので、ここでも「ヒミツキチ」と呼ぶことにしましょう。

 ヒミツキチの時間はやることが決まっているわけではないので、メンバーはそれぞれ思い思いの活動をしています。DVD鑑賞会や哲学カフェなど、メンバーから企画が持ち込まれることもありますが、今月は会場が新しくなったこともあり、企画の持ち込みはなく、それぞれ好きなことをやる時間になっていました。

 このようなフリーの時間になると、読書会メンバーは最近、こぞってあるものをやりたがります。ボードゲームやカードゲームです。昨年も何度かボドゲ会の模様をお伝えした覚えがありますが、年を越してもその人気が衰えることはなく、この日も何人ものメンバーがゲームを持ち寄り、みんながそれで遊ぶという光景が生まれていました。もっとも、僕もゲームを持ち寄った1人なので、みんなで遊ぶように仕向けたといった方が適切かもしれません。

 それでは、僕らが遊んだゲームの紹介をしながら、ヒミツキチの様子を見ていくことにしましょう。なお、ヒミツキチには9名のメンバーが参加していました。このうち2名(主催者であるのーさんと、なぜかよくスーツ姿で現れる大阪サポーターの男性)は、最初のうち新会場への案内図をつくるため外出していたので、途中までは7名でゲームをしていました。

neu(ノイ)

 最初にやったゲームです。3枚配られた手札を、順番に1枚ずつ、盤上の数字が101を超えないように出していくというもの(101まではOK102以上になると負け)。110までの数字が書かれたカードのほか、「-1」「-10」「50」のカード、合計を無条件で101に塗り替えてしまう「101」のカード、さらには「リターン(順番を逆にする)」「パス(自分の番を飛ばす)」「ショット(次にカードを出す相手を指名する)」「ダブル(次の人に2枚出させる)」といった特殊カードがあり、自分の手札を上手く使って、負けないようにカードを出し続けることが重要になります。カードの種類はUNOに似ていますが、手札を出し切ることが目的のゲームではないという点が大きく異なります。むしろ、プレイヤーはカードを1枚出したら、次の人がカードを出すまでに山から新しいカードを1枚引かなければなりません。これを忘れると、手札が減った状態でプレイすることになるので、俄然不利になります(今回は殆どの方が初挑戦だったので、カードの引き忘れはその場で指摘していました)。

 今回は、4人負けるまでゲームを続けるという方法で遊びました。もう101が出来上がっている状態でプレイしなければならないので、後半はなかなか苦しい展開でした。とはいうものの、ルールもプレイスタイルもシンプルなので、場を温めるにはちょうどいいゲームでした。逆にいえば、シンプル過ぎて運ゲーの要素が強いため、何度もゲームをしている人たちはもっと頭を使うものに手を出したがっていた感じがしました。

◆「犯人は踊る」

 彩読ゲーム会の定番メニューが今回も登場しました。「犯人は踊る」は、ざっくり言えば、「探偵」のカードを持っている人が「犯人」のカードを持っている人を当てるゲームです(当てられれば探偵の勝ち、当てられなければ犯人の勝ち)。正体不明の犯人を捜すというコンセプトは「人狼」と似ていますが、「犯人は踊る」の場合は「人狼」と違って、探偵・犯人それぞれのカードがプレイ中に動くという特徴があります。ネットのまとめなどではしばしば、人狼とババ抜きの要素を兼ね備えたゲームと評されています。

 プレイヤーには予め手札が4枚配られます。そして、「第一発見者」というカードを持っている人から順番に時計まわりでカードを1枚ずつ出していきます。カードには複数の種類があり、それぞれに「左隣の人にカードを1枚渡す」「右隣の人の手札からカードを1枚ババ抜きする」「誰か1人を指名して全ての手札をこっそり見せてもらう」といった指示が書かれています。カードが1枚出される度に、プレイヤーはその指示に従って行動することになります。この動きをもとに、自分が持っていた犯人のカードがどこへ行ったかなどを推理することが勝利の鍵を握ります。探偵で勝とうとするのが王道ですが、犯人のカードを持ったまま逃げ切ろうとする猛者もしばしば現れるのが面白いところです。なお、カードの中には「アリバイ」というものがあって、犯人のカードとアリバイのカードが手元に揃っている時には、探偵から指名されても言い逃れをすることができます。

 4ターン以内に決着がつく短時間のゲームですが、結構頭を使うので、一度ハマると抜け出せなくなります。過去にはロイホで2時間半ぶっ通しでプレイしたなんてこともありました。この日は他にもゲームが沢山あったため、3ゲームくらいで切り上げましたが、いつも通り盛り上がりは十分でした。個人的には、7人という大人数で「犯人は踊る」をやるのは初めてだったので、予測の難しさも味わいました。

 ちなみに、僕はかれこれ半年以上“踊り”続けているので、最近ではゲーム本編とは違う内容で楽しむことが増えています。先ほど書いた通り、このゲームは第一発見者のカードを持った人から始まるのですが、第一発見者はその際に、自分が見た事件の内容を即興で作って話すことになっています。この事件の概要と、犯人の正体とを関連づけてストーリーを想像するのが、僕の密かな楽しみなのです。実際、ゲームの都合上かなり無理のある展開が生じることがあって、その時はコントのような面白さがあります。

 この日の第2ゲームでは、「読書会から帰ろうとしたら、ひじきさんのメガネがなくなっていた」という事件が起きたことになったのですが、その回の犯人はなんと僕。「自分で自分のメガネなくすって、俺何やってるんですか!?」とセルフツッコミを入れると、大笑いが起きました。そこへ、頭の回転の速いBさんが「頭にかけたまま『メガネがない!』とか騒いだんじゃないですか?」と言ったので、ますます笑いが大きくなりました。さらに、このゲームでは「たくらみ(共犯)」というカードを出し、犯人と共に負けた人がいたのですが、自分のメガネをなくしただけの事件の共犯者って何をするんでしょう。何から何までムチャクチャで、暫く笑いが止まりませんでした。

 その後のゲームでも、「持ってきた差し入れが食べられた」と言った第一発見者が結果的に犯人になり、つまみ食いの自作自演というオチがついたなんてことがありました。ゲームに熱中すると事件の設定が忘れ去られることがよくあるそうですが、そんなの勿体ないと僕は思います。本当に!

◆タイムボム

 以前にボードゲーム部の部活動で盛り上がったというゲームが、京都会場に初登場しました。プレイヤーは警察・犯罪者・スパイのどれかの役割につきます。犯罪者が仕掛けたタイムボムという爆弾を、爆発する前に全て解除することができれば警察の勝ち、解除完了前に爆発が起きれば犯罪者の勝ちというゲームです。

 プレイヤーの前には最初5枚ずつカードが配られます(7人でプレイする場合は、したがって最初35枚のカードが盤上に出ていることになります)。このうち7枚が「解除」のカード、1枚が「爆発」のカードになっています。各プレイヤーは自分の手元のカードの内容だけ確認し、それを裏返して再び自分の前に置きます。そして、プレイが始まると、どこに何のカードがあるかを話し合いによって探り、誰の持ち札を表返す(=導火線を切る)かを決定していきます。警察としては、爆発のカードを引くことなく7枚の解除カード全てを当てなければなりませんから、解除カードの所在を探ろうとします(と同時に、爆発カードを引くことのないよう、その所在にも気を遣います)。一方、犯罪者とスパイの側は、警察の捜査の裏をかき、解除のカードがある振りをして、爆発のカードを引くよう誘導していくことになります。これを一切のカードが裏返った状態でやると、高度な騙し合いが可能になります。発言に注目し、状況を読みながら、どの配線を切るかを考えることが重要になるという、かなり頭を使うゲームです。

 なお、各ターンで11枚ずつ自分以外のプレイヤーのカードを表返していきます。その際、1人のプレイヤーの手元のカードを集中的に開けることも可能です。1ターン終了すると、盤上のカードは一度全て集められ、今度は全員に4枚ずつ配られます。そのターンも終了すると、今後は全員に3枚……といったように、1ターンごとに手元のカードの配り直しがあるので、解除・爆発の各カードの所在は都度変化することになります。そのため、各ターンで騙し合いが展開することになるのです。

 僕は警察側だったのですが、解除カードが2枚来た際正直に申告したところ、「怪しい」と疑われたので、それだけは心外でした。が、それ以外について言えば確かに面白いゲームでした。結果的に警察側の勝利に終わったので、あらぬ疑念もオイシイ話で終わらすことにしましょう。

◆人狼

 会場案内図作成班が戻ってきたところで、最後に全員で人狼をやりました。スーツマン氏が進行役になり、残る8名で3回ほどプレイしました。

 人狼についてはご存知の方も多いと思いますが、市民(村人設定の時もある)を夜な夜な食い殺す人狼を、プレイ中の会話から探り当て処刑していくゲームです。人狼を全員処刑することができれば市民の勝ち、処刑誤りと人狼の人狩りの結果、市民が人狼と同数にまで減ってしまうと人狼の勝ちということになります。今回は市民と人狼のほかに、占い師(生きている人が人狼かどうかを占うことができる)、ボディーガード(毎晩1人を人狼から保護することができる)、裏切り者(市民だが人狼の味方をして話し合いを撹乱する、勝敗を人狼と共にする)という3つの役回りがありました。

 毎度色んなゲームをプレイしている僕ですが、実は人狼をちゃんとやったことは殆どありません。定石的な役割特定の方法もわかっていませんし、まして戦略を立てることなんてできっこない。人狼になどなろうものなら処刑されるに決まっているぞ……と思っていたら、1ゲーム目で人狼になってしまい、そして1日目にあっさり処刑されます。申し開きの場が与えられましたが、「し、市民です……!」と震え声で言うより他になす術もなく、死せる狼としてその後の成り行きをただただ眺めつづけることになりました(もっとも、全てを見渡せる特権的地位にいるのはとても面白かったです)。もう1人いた人狼も後々処刑されてしまい、1ゲーム目は市民の勝ちに終わりました。

 続く2ゲーム目も、僕は人狼になってしまいます。溜息つきたいのをぐっと堪え、プレイ開始。1ゲーム目の反省を踏まえ、2ゲーム目から人狼同士がハンドサインを使って打ち合わせをする時間が設けられたので、多少有利な展開になりました。結論から言うと、このゲームではさほど怪しまれることなく生き残り、人狼の勝利に貢献しました。2ゲーム目で思わず笑ってしまったのは、処刑されたり人狼に食べられたりした人が、「さようなら~」と言いながら軽やかに席を離れていったことでした。未練がないのは大いに結構ですが、それにしても呆気なくて拍子抜けしてしまいました。

 最終3ゲーム目。ここで僕は念願の市民になります。すると、自分でも驚くほどプレイ中の口数が増えました。もう僕悪くないもーんと思うや否や、人が変わったように強気になる辺り、我ながら異常なまでの小物感ですね。ところが、この饒舌ぶりゆえに逆に疑いの目を向けられてしまいます。どうやら、ニコニコ笑いながら勢いよくまくし立てる時の僕は、相当胡散臭いオーラを放っているらしい。幸い、口数の変化は役割の変化ゆえだという抗弁が聞き入れられ、僕は最後まで処刑を免れることになります(若干1名、本気で「こいつ怪しい」と思った主催者がいたようですが)。それは良かったものの、ゲーム的には人狼の勝利に終わってしまいました。この時人狼役になったのは、午後の部から参加されていたダンス講師をしている方と、午前の部で「浜辺美波様、万歳!」の雄叫びをあげたリピーターの方だったのですが、第1ターンで後者が前者を切り捨てるという離れ技をやってのけて疑いの目を逸らし、最後まで生き抜いて勝利を収めたのでした。もしかしたら、“女神の御加護”があったのかもしれません。

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 以上でヒミツキチの話は終了となります。ただ、この後場所を変えてゲームを続けた一隊がおりましたので、今しばらくその話を続けようと思います。言うまでもなく、僕はその一隊に紛れておりました。

 元々、ヒミツキチの後に飲みやご飯に行くのは珍しいことではないですし、行った先で引き続きゲームが行われることもよくあります。ですから、それだけならば書き立てるほどのことはないのですが、この日はちょっと違ったのです。

 時間が来て会場を後にし、以前にも使ったことのある京都駅ビル地下のフードコートへ行きませんかという話をしていたところ、よく推し本披露会に児童書を持ってきてくださる女性の方が、「私ちょっとヨドバシに寄りたいんですけど」という。よくよく話を聞いてみると、ヨドバシにボードゲームやカードゲームの売り場があるので、良いゲームがないか見に行きたいというのです。なんとこの方、ボードゲーム部に所属していて、いつの間にかガチゲーマーになっていたのでした。

 そして、ゲームを見にいくという話が出たところで、僕はふと、手に入れたいゲームがあったことを思い出しました。昨年11月に大阪会場のヒミツキチの時間に「インサイダーゲーム」というゲームで遊んだのですが、これがめちゃくちゃ面白かったので、自分でも買ってあちこちで遊べるようにしたいと思っていたのです。早速ヨドバシのサイトで調べてみると、京都店には在庫があるではありませんか。これは是非ともご一緒しなくてはならない。そして、インサイダーゲームをやって、食事に入った店でプレイするのだ!

 かくして、僕は初めてヨドバシのゲームコーナーを訪れ、そして、人と一緒にゲームを買うというこれまた初めての経験をしたのでした。僕を含めて5人のメンバーが残っていました。

 お目当ての「インサイダーゲーム」はすぐに見つかったので、他の皆さんがゲームを見ている間に、僕も色んなゲームを見て回りました。これまでは東急ハンズで買っていたのですが、ヨドバシの方がゲームの種類は豊富でした。見たことのないゲームも沢山あり、色々あるんだなあと思いました。もっとも、ルールをパッと見ただけで面白そうだと直感できるものはなかったので、結局買ったのは「インサイダーゲーム」だけでしたが。

 その後、ヨドバシの上階にあるレストラン街の1店に入り、食事を摂ったところで、再びゲームタイムが始まりました。最初にやったのは、ヨドバシに行きたいと話していた女性が買った「ボブじてん」というゲームでした。これは、カタカナ語をカタカナを使わずに説明するというゲームで、説明を聞いて最も多くのお題を当てた人が勝者となります。正解者はお題の書かれたカードを獲得するので、実際にはカードを一番多く持っている人が勝者となります。ただし、カードの獲得条件にはもう1つ、説明の際誤ってカタカナ語を使ったのを指摘するというのがあるので、こちらでポイントを稼ぐこともできます(実際、僕はこの手で2枚手に入れました)。

 ゲームとしてはシンプルなものですが、意外と説明しづらい言葉があるため、言い換え力や語彙力が試されるゲームだなあと感じました。さらに言えば、説明者が言い辛そうにしている時にお題を推測する力も必要に思えました。ともあれ、予想以上に面白いゲームだったので、近いうちに買おうと思いました。

 そして最後に「インサイダーゲーム」をやりました。「インサイダーゲーム」については以下の記事で詳しく書いているので、ルールや進め方についてはそちらをご覧ください。気付けばインサイダーゲームだけで1時間くらいプレイしていたので、やはりこのゲームの求心力はダテじゃないことが証明されました。「犯人は踊る」と並んで、僕の飛び道具に加えようと思います。



 解散したのは22時過ぎでした。それから僕はJRの改札へ向かう皆さんと別れ、地下鉄と阪急を乗り継いで独房へ向かったのでした。

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(今回プレイしたゲームのうち、ひじき持参[購入]分)

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 というわけで、ゲーム三昧になったヒミツキチ、そしてアフターの振り返りを締めくくりたいと思います。そして、以上をもちまして、112日の京都・彩ふ読書会の振り返りは完結です。ここまで読んでくださった皆さま、ありがとうございました。