お待たせいたしました。1222日に参加した彩ふ読書会・東京会場の振り返りの続きをお届けいたします。前の記事では、午前中に行われた推し本披露会の様子を紹介しました。この記事ではその後の出来事について書き綴っていこうと思います。

 通常であればこの後、昼休憩を挟んで午後の部=課題本読書会が開催されるのですが、この日1222日の読書会はちょっと様子が違いました。代わりに「東京会場ほぼ1周年半イベント」というのが企画されていたのです。

 東京の彩ふ読書会は、読書会が大阪で産声をあげて間もない20182月に早くも第1回が開催されました。そこを起点に考えれば、東京会場は誕生してほぼ2年ということになります。しかし、東京での開催は、台風による中止や会場選びの難航などが重なって飛び飛びになり、この12月で漸く15回目を迎えたとのことでした(この辺りの紆余曲折は、関西でぬくぬくギャハギャハしていた僕は想像できないほどのものだったようです)。「ほぼ1周年半」というネーミングは、この通算開催回数にちなんだものだったそうです。

 さて、「ほぼ1周年半イベント」は、宅配で届いた食事をみんなでつまみながら歓談、途中にお楽しみ企画でゲームを挟み、最後に読書会主催者・のーさんの挨拶で締めるという流れで進んで行きました。会場は推し本披露会に引き続き、馬喰町にある「STUDIO777」というレンタルスペース。参加者は25名で、ゲームの都合上4つのテーブルに分かれて着席という形になっていました。

 イベントは12時半スタートの予定でしたが、推し本披露会の途中から料理が届いていたようで、準備は当初、読書会のアフタートークとぐるぐる入り混じりながら進行していました。やがて、たくさんある料理をテーブルごとに配るのは難しいという話になり、ビュッフェ形式用のテーブルをアドリブで用意。この頃になると、手の空いている参加者が続々準備に回ったことで、みるみるうちに会場が整っていきました。咄嗟の判断が必要だった関係で僅かに遅れが出たものの、1240分ごろに乾杯の発声があり、イベントは無事スタートしました。

 それでは、「ほぼ1周年半イベント」の様子を詳しく見ていくことにしましょう。

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 ……と言ったものの、フリートークの模様をどう振り返ったらいいのでしょう。ゲームや挨拶の振り返りならそんなに難しくありません。イベント感が出ますから。けれども、フリートークとなると、ただただ面白い話というだけで、イベントそのものとは何も関係がなかったりします。そんな話をしても、お前は何をやっていたんだと言われるのがオチではないでしょうか。

 ひとまず、東京会場のサポーターが撮ってくださった料理の写真を見ていただくことにしましょう。

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 うむむ……改めて見ても思いますが、料理がめちゃくちゃオシャレ。そして、見掛け倒しなどではなく、ちゃんと美味でした(特にカップに入ったマカロニとトマトソースの料理が好きでした)。聞いたところによると、料理はサポーターの皆さんがかなりこだわって選び抜いた逸品ぞろいとのことでした。いやはや、ご馳走さまでした。

 この他にも、お菓子が幾つか振舞われました。まずは、のーさんが大阪で買ってきたカール。関東ではカールが終売しているので、折角の機会にとメンバーからリクエストがあったそうです。販売地域に住んでいながらカールを食べない僕は、ここでいつぞやぶりにカールとご対面しました。オシャレな料理の前にスナック菓子がぽんとあるのは不思議な光景でしたが、置かれると食べたくなるもので、気付けば皆さん手に取って口に運んでいました。

 それから、駄菓子の定番・マルカワのフーセンガムも登場しました。もっとも、こちらはただのフーセンガムではありません。フーセンガムのラッピングを自分たちでデザインできるサービスを提供しているお店があるそうで、彩ふ読書会限定ラッピングのフーセンガムになっていたのです。折角ですから、写真でみていただきましょう。

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 こんな感じです。一番左のラッピングは、全て違う色で「彩ふ読書会」と書かれたもので、彩読らしいデザインでした。その右隣のものは、今回の「ほぼ1周年半イベント」仕様の包装。こちらは落ち着きのあるシンプルなデザインですね。さて、注目していただきたいのが、右から2番目のデザインです。現在彩ふ読書会が開催されている会場名を並べ、最後に「IRODOKU(彩読)」と書いたものなのですが、実はこれ、文字の配置をずらすことにより、「KYOTO(京都、2018年12月~)」「KOBE(神戸、2019年12月~)」「OSAKA(大阪、2017年11月~)」「NAGOYA(不定期、2020年1月~定期開催予定)」という4つの会場の上に、東京会場の「TOKYO」が浮かび上がるようになっているのです。何とも洒落たデザインではありませんか! 考えた人のセンスに驚嘆です。ガムは1人1個持ち帰ってよいということでしたので、僕は迷わず、この会場名ラッピングを取りました。

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 オシャレな料理の話を書いていたら、何でも書ける気がしてきました。ここでちょっとだけ、僕の周りで起きたフリートークの内容に触れておきたいと思います。

 やはり珍客到来とあって、僕の周りでは自然と、関西と関東の彩読の雰囲気の違いが話題となりました。読書会そのものの雰囲気については、推し本披露会の振り返りでみたように、誰でも受け容れるというアットホームな場づくりがなされている点、そのためにとても話しやすい場になっている点など、大事なポイントがよく似ていると感じましたが、読書会以外に行われるいわゆる部活動については、関西と関東では雰囲気に違いがあるようです。とにかく、関西は部活の数も活動回数も多く、関東のメンバーは「すごいなあ」と思いながら見ているようです。

 関西・関東どちらのメンバーも入っている彩読のコミュニティラインというものがあるのですが(読書会に3回以上参加した方だけが入ることのできるグループラインです)、ここにメッセージを書き込んでいるのは、8割がた関西のメンバーです。よく書き込む人はバッチリ名前を覚えられています。かくいう僕も、読書会レポートをアップする関係で、割と目立った動きを見せる1人になっていたようでした。一応「すいません、うるさくて」と謝りはしたものの、顔に満面の笑みを浮かべていたので、謝罪はするけど反省はしない気だと丸バレだったことでしょう。

 もっとも、話をしているうちに、関西の活発さを羨む関東の皆さんの中にも、多趣味な人や、何かにのめり込んだ“沼の深い人”が少なくないことが分かってきました。カラオケでアニソンを熱唱し続けた人がいたり、嵐のファンがいたり。イベントに先立って忘年会が一度開かれた際には、ボードゲームの面白さに目覚めた人が続出したらしく、ボードゲームをやりたいという機運も高まっているようです。何かのきっかけで、それぞれの好きを持ち寄り、興味の輪が広がっていけば、きっとますます面白いことが待ち受けているだろうなあと、僕は思ったものでした。

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 それではここで、お楽しみ企画として用意されていたゲームの話をしましょう。今回実施されたのは「フレーズ☆トレジャーハンティング」というゲームでした。全然耳慣れないので、どういうものか説明したいと思います。

 全員に同じ文章をプリントしたテキストとマーカー1本が配られ、さらに、グループに1枚ずつ、フレーズと得点が書かれた紙が配られます(写真を撮り忘れたので、例を載せます)。

  ぼくら…3点(〇箇所)
  檸檬…3点(△箇所)
  クリーム…5点(◇箇所)
  東京…10点(×箇所)
  丸善…20点(☆箇所)
  十円…100点

 この紙に書かれたフレーズを、配られたテキストの中から制限時間内に見つけ出し、マークしていくというのが、ゲームのあらましです。そして、グループごとに見つけたフレーズの種類や数に応じて得点を算出、得点の最も高かったグループが勝利となります。観察力だけでなく、グループ内での役割分担や協力がカギを握るゲームとなっていました。

 本番に入る前に、例題が1問ありました。夏目漱石『坊ちゃん』の一節がプリントアウトされた紙の中から、問題のフレーズを見つけるというものでした。ここで僕は大失態を犯してしまいます。「おれは」というフレーズがお題にあがっていたのですが、すっかり勘違いしてしまい、「おれ」と書かれた箇所全てにマーカーを引いてしまったのです(当然のことながら、「おれが」「おれの」「おれに」といったフレーズは見つける対象から除外されます)。これはいかん、注意深くやろうと思ったところで、いよいよ本番が始まりました。

 本番で渡されたのは、宮沢賢治『注文の多い料理店』と梶井基次郎『檸檬』という2つの有名な短編の全文でした。この2作ですが、同じ1つのテキストセットとしてホッチキス留めされており、前半が『注文の多い料理店』、後半が『檸檬』という構成になっていました。そのため、表紙を見た限りでは、『檸檬』の存在がわからず、お題に入っている「檸檬」や「丸善」が、『料理店』のどこに出てくるのかと訝しがったメンバーもいたそうでした。幸い、僕が参加したグループでは、テキストの前半担当と後半担当を分けていたので、結果的にはそれぞれの担当が各作品の中からフレーズを探し出すという展開になりました。「話の筋はだいたい覚えてるけど、どこにどんな言葉が出てきたかなんて覚えてないよ~」そんなことをぼやきながらも、みんな血眼になってフレーズを探し、制限時間内にお題の9割以上の言葉を探し出すことができました。

 これだけ見つけたのだから勝っただろうと思ったのですが、勝負はかなりの接戦で、タッチの差で優勝を逃してしまいました。とはいうものの、満足のいく結果を残せたわけで、悔いはこれっぽっちもありませんでした。

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 楽しい時はあっという間に過ぎていくものです。気がつけば14時半。イベントの締めの時間が近づいてきました。

 ここで、読書会主催者であるのーさんから挨拶がありました。のーさんはまず、いつも読書会の最後にやる締めの挨拶を読み上げた後で、2018年2月に東京で初めて読書会を開催してからの歩みを、順にご紹介されました。冒頭でも述べたように、東京での開催は飛び飛びになっている時期があったため、いつ読書会を開催したか、そして、各回の課題本は何だったのかということが順に紹介されていきました。その中で、僕が驚いたのは、サポーターやリピーターを中心に、誰がいつ初めて読書会に来たのかを、丁寧に振り返られていたことです。そこには、参加する全ての人に居場所となる場を提供したい、そして、参加者は皆同じように大切にしたいというのーさんの想いが込められているようでした。

 その話に続けて、東京で読書会を続けるにあたって最も苦労した話の紹介がありました。のーさん自身が読書会2周年を記念する記事の中で触れられていることなので、書いても問題なかろうと思うのですが、東京では今年の初め、当日朝に会場のダブルブッキングが発覚し、サポーターの咄嗟の行動により何とか読書会を実現できたという大変な出来事が発生しました。それから暫くの間、新たな会場探しが難航し、東京での読書会は途絶。その時のーさんは、果たして再開できるだろうか、再開したとして人が集まるだろうかと、本当に不安だったそうです。そんな窮地を乗り越え、5月に東京会場は再開。その後毎月開催を重ね、部活動やサークル活動も少しずつ行われるようになり、この日に至ったということでした。

 話を一通り終えたところで、のーさんからこんな話がありました。

「私は基本的に、読書会に参加する人のことは皆さん平等に扱っていきたいとおもっているんですけれども、今日だけは、特別に、名前をお呼びしたい方がいます。一番大変だった時に、メンバーを集めてサークル活動を企画してくださったり、わざわざ大阪まで来てくださったりした方がいます。その方のお陰で、東京での読書会は続けられたのだと思います。——KJさんです!」

 のーさんが信念を曲げてまで名前を挙げて感謝を伝えたかった相手、それは、東京会場のリーダーを務めるKJさんでした。そしてこの場で、KJさんには、関西メンバーからの寄せ書きが渡されました。これは、関西が誇る彩読アンバサダー・momomotokazuさんの発案により、京都会場の1周年イベントの裏で書き上げられたものでした。「KJさんを泣かせたい」という関西勢の悲願こそ達成されなかったものの、寄せ書きを受け取ったKJさんの表情は、僅かに崩れたように、僕には見えました。

 ここで、今度はそのKJさんからのーさんに、東京メンバーのメッセージを集めた寄せ書きが贈られました。今から考えれば感動的な光景なのですが、僕はよほど浮かれていたのでしょう、その場では「相思相愛だ!」などと騒いでおりました。ちなみに、この寄せ書きは、とあるサポーターの手作りで、箱の形をしており、開くと箱のあちこちにメッセージが貼られている、さらに箱の真ん中からは万国旗のように連なる旗が出てくるという仕掛けになっていました。色紙とノート以外に寄せ書きの方法を知らなかった僕には斬新な方法で、東京会場の面白さをまた1つ感じました。

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 最後に、今後の東京、さらには関東での読書会の展開について、この日発表があったのでご紹介しましょう。勿体つけても仕方がないので、まずはこちらをご覧ください。

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 バァーン!

 ということで、のーさんがこの紙を持ち、サポーターズがなぜかジョジョ立ちするという不思議な光景と共に、横浜で新たに彩ふ読書会が始まることが告知されました。第1回は来年1月19日。課題本は、季節柄そして土地柄でしょう、箱根駅伝をテーマにした三浦しをんさんの小説『風が強く吹いている』だそうです。僕は参加できませんが、近くにお住いの方は足を運んでみては如何でしょうか。

 更にもう1つ、これは正式に発表があったわけではないですが、この日の会場だった馬喰町の「STUDIO777」が、東京会場として継続的に使われるようになる予定という話も出ていました。会場問題が起きた1年の終わりに、彩読東京の新たな会場が決まるというのは、なんともめでたい話だなあと僕は思いました。

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 といったところで、彩ふ読書会東京会場ほぼ1周年半記念イベントの振り返りを締めくくりたいと思います。この後のーさんとサポーターズはスイーツ会を催したそうですが、僕は旅費をケチって帰りの新幹線をこだまで取っていたので、一足先に馬喰町を後にしました。

 おそらく、これが今年最後の彩ふ読書会日誌になると思います。皆さま、この1年、毎度毎度長い日誌に目を通してくださいましたこと、改めて感謝申し上げます。そして、来年もどうぞ引き続きお付き合いくださいませ!