週末のやらかしを経て、いま僕は沈静モードに入っている。自己嫌悪の情が抜け切っていないのだろう、とにかく、威勢良くなどとてもなれない状況である。もっとも、これを機に、何かと予定が立て込んでいたり、色んなことを書き出すのに追われたりで、どこか余裕がなかった気持ちを落ち着け、立て直そうという思いもある。だから、自分を無理に励ましたり、空元気を吹かしたりせず、暫く大人しくしているつもりである。

 いやむしろ、文章を書いたり気持ちの整理をしている時くらい、大人しくした方がいいにちがいない。僕は元来強がりで、日中は平気な風を装っていたり、かえっていつも以上に真面目に仕事をしたりしてしまうから、そのうちまたどこかでポキリと折れてしまう気がしてならないのである。考えすぎかもしれないけれど、考えてしまうのが僕である。ともあれ、暫く大人しくする。

 普段と違って、あれをやろう、これをやろうと思うものがない分、そして、日記もまた長くて面白いものを書いてやろうなどと意気込まない分、読書に力を割くつもりである。今週に入り、陣内秀信の『東京の空間人類学』を読み始めた。その名の通り、東京という都市の成り立ちを、古地図を紐解きまちを歩きながら歴史的に解き明かそうとする書物であり、中には具体的な地名がたくさん出てくる。僕は今、暇に任せて、グーグルマップを都度見ながら、この本をのんびりと読んでいる。地図を見たくらいじゃイメージしきれない内容もあるが、一方で、学生時代に通った道のことなどを思い出すと「なるほど、これがそうなのか」と思えてくる内容もあり、面白い時間を送っている。不慣れなジャンルなので気を抜くと寝てしまうのが厄介であるが、本に罪はない。だからといって、僕にも罪はない。誰も悪くなくても困ったことが起きるのは、世の常と知れ……こんな教訓めいたことを書いたのは本当にオレか?