915日の京都・彩ふ読書会レポート、最終回をお届けします。ここまで、「午前の部=推し本披露会編」「午後の部=課題本読書会編」を、それぞれ記事1本ずつ費やしてお送りして参りました。読書会本編の振り返りはこの2本で完結となります。

 しかし、お楽しみはまだまだ続きます。京都の彩ふ読書会では、読書会終了後も会場であるSAKURA CAFÉをお借りし、読書会メンバー同士の交流の場を設けているのです。「ヒミツキチ」と呼ばれたり「オトナの学童保育」と呼ばれたり、あるいはもう名称など誰も気にしなくなったり……まあそんなことはどうでもいいんですが、実態を申し上げますと、この交流の場、単なるフリートークの場というわけではなく、ほぼ毎回のようにメンバーから何か企画が持ち込まれるプチイベントタイムのようなものになっています。

 915日の読書会終了後、僕らは2時間ほど会場に残り、ブックポーカーというゲームをやっておりました。これは、簡単な質問とその答えを頼りに、誰がどの本を持ってきたかを当てるゲームで、京都読書会では7月にも一度やったことがあります。そして今回、課題本『ガリバー旅行記』を推してくださったサポーター、通称“謎解きクイーン”のたっての希望により、僕らは2ヶ月2度目のブックポーカーに興じることになりました。

 というわけで、今回はこのブックポーカーの模様をご紹介したいと思います。

◇     ◇     ◇

「はい、ちゅうも~く!!

 16時、それまで会場に残っていた参加者がぽつりぽつりと帰っていき、ゲームの参加メンバーだけが残った頃合いを見計らって、京都読書会リーダーのちくわさんから声が掛かりました。いきなり余談ですが、ちくわさんは読書会で大勢の注意を惹きたい時、必ず「はい、ちゅうも~く!!」と言います。なんだか遠足の引率に来た学校の教員のようです(ご本人は「こう言うとなごむでしょう?」と言っています)。僕はつい面白くなって、この日「はい、せんせー!!」という返しを生み出してしまいました。

 そんなこんなで、先生の前に子どもたちがやって来るように、ゲームの参加メンバーは会場の真ん中へ輪になって集まりました。全員が揃ったところで、ゲームのルールや進め方をまとめた紙が配られ、説明が始まります。

 ブックポーカーは、上でも書いた通り、僅かな会話を通じて、誰がどの本を持ってきたかを当てるゲームです。ゲームの参加者は、進行役1名とプレーヤーからなります。プレーヤーの標準人数は510名です。今回は10名の参加者がいましたので、ちょうどいいあんばいでした。

 ゲームが始まると、まず、プレーヤーが進行役に自分の持ってきた本をこっそり預けます。その後、プレーヤー同士が21組になり、持ってきた本の情報の探り合いを繰り返す「会話フェイズ」と呼ばれる局面に入ります。言うまでもなく、これがブックポーカーの中で最も重要な局面です。

 会話は必ず「あなたが持ってきた本の魅力は何ですか?」という質問から始め、一問一答式で進めていきます。例えば、「いつ頃書かれた本ですか?」「物語の舞台はどこですか?」「主人公はどんな人ですか?」といった具合に尋ねていきます。ただし、本のタイトルや作者を直接聞き出すのはNGです。また、「本のジャンル」「作者の性別」「作者の国籍」の3つについては、本を特定する手掛かりとなる重要な質問になるため、相手に尋ねる場合にはコストを払わなくてはなりません。プレーヤーはゲーム開始前にそれぞれコインを3枚渡されており、コストはコインを1枚相手に渡す形で支払われます。

 相手から情報を聞き出す時間は限られています。今回は1ターンにつき2分という制限時間が設けられていました。プレーヤーは進行役の合図があってから会話を始め、次の進行役の指示に合わせて会話を打ち切らなくてはいけません。実際にやってみるとわかりますが、2分で引き出せる情報は本当にごく僅かです。プレーヤーはその中で、できるだけ多くのヒントを掴み、また、できるだけヒントを与えてしまわないように気を付けながら喋らなければなりません。これは結構頭を使います。もっとも、それがこのゲームの魅力でもあるのです。

 さて、会話フェイズが終わると、いよいよプレーヤーが持ってきた本がお披露目され、ゲームは「推理フェイズ」と呼ばれる局面に入ります。プレーヤーは先のやり取りの中で掴んだ情報と、本の表紙の内容だけを頼りに、誰がどの本を持ってきたのかを推理し、回答用紙に書き込んでいきます。「推理フェイズ」も制限時間制で、今回は回答時間5分で実施しました。

 さらに、今回ちくわさんの計らいにより、本の中にダミーが1冊投入されていました。これが推理の難しさに輪をかけます。誰がどの本を持ってきたのか、そしてダミーはどれなのか。これら全てを5分で推理するのは、まさに至難の業でした。

 「推理フェイズ」が終わったところで、答え合わせの時間に入ります。僕らの前に並べられた本を進行役が1冊ずつ手に取り、「この本を持ってきたのは誰ですか?」と尋ねていき、持ってきた人は手を挙げます。この時のプレーヤーの反応は「よっしゃ!」「うおー」「えーまじで!?」など様々です。

 答え合わせが終わると、最後に得点の集計に移ります。得点は、本の正解数が110ポイント、ゲーム終了時点で手元に残った(あるいは人からもらった)コインが15ポイントです。さらに、答え合わせと並行して、プレーヤーは「会話していて読みたいと思った本の紹介者」1名と「表紙を見て読みたいと思った本」1冊をそれぞれ選びます。ここで気になる紹介者に選ばれたり、持ってきた本に票が入ったりすると、それぞれ1票につき5ポイントが加算されます。以上で入ったポイントを合計して、得点が最も高かった人がゲームの勝者となるのです。

 説明が長くなってしまいました。それではここから、実際のやり取りの様子を見ていくことにしたいと思います。なお、話を分かりやすくするため、予め今回紹介された本の一覧をお見せいたします。それから、僕が持ってきた本のタイトルは最後まで伏せておくことにしましょう。皆さまどうぞ、これからお見せするやり取りをもとに、僕や一部のプレーヤーが持ってきた本を推理しつつ、レポートをお楽しみください。

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「ペア組みましたか~?
「は~い!
「名札は表向いてますか~?
「は~い!

 相変わらず先生と子どもみたいなやり取りを重ねながら、僕らはプレーヤー同士21組になり、会話フェイズを重ねていきます。先生役はもちろん、ちくわさんです。企画の持ち込みがちくわさんだったこともあり、プレーヤーでありながら場を取り仕切っているように見えました。

 本来の進行役を務めてくださったのは、京都読書会副リーダーのゆうさんです。ゆうさんはゲームへの参加を楽しみにしていたものの、いつも図書館で本を借りており、ラベルで紹介者が自分だとバレてしまうことから、今回進行役を買って出てくださいました。「それでは始めてください」「終わりで~す」と、淡々とした落ち着きのある進行をしていたゆうさんは、ゲーム終盤で“学級委員長”と呼ばれるようになります。それはともかく。

 雰囲気をお伝えするため、あるプレーヤー(仮にMさんとしましょう)とのやり取りを再現してみたいと思います。お互いメモを取りながら話しているので、しばしばポーズが入っていますが、それもそのまま抜き書きしてみましょう。

「よろしくお願いします」
「よろしくお願いします」
「では、Mさんが持ってきた本の魅力は何ですか?」
「そうですね……日常の悩み、や楽しさを描いていること……ですかね」
「日常の悩みや楽しさ……ですね。ありがとうございます」
「えっと、ひじきさんの本の魅力は何ですか?」
「端的に言って、情熱を感じられることです」
「情熱……ですね……はい」

「Mさんの持ってきた本は、いつ頃書かれたものですか?」
「……戦前ですかね」
「せんぜ……戦前!?」
「いえ、あの、たぶん、戦前だと思います。とりあえず昭和……昭和ですね」
「戦前……昭和ですね」
「逆に、ひじきさんの本はいつ頃書かれたものですか?」
「平成です」
「ありがとうございます」

「Mさんの本の舞台はどこですか?」
「関東の郊外です」
「関東の郊外……ありがとうございます」
「ひじきさんの本の舞台はどこですか?」
「日本……の北のほうですね」
「日本の北のほう」
「そうですね、北のほうです」
「なるほど……」

「Mさんの本の主人公はどんな人ですか?」
「どんな人……」
「あ、例えば性別とか」
「性別、は、男性です」
「男性……」
「あと、無職に近いですね」
「はー、なるほどなるほど……」

 とまあこんな感じです。ここで2分経過してしまったのですが、僕の方が質問が1つ多い状態でしたので、こっそり延長戦をやっておきました。僕の持ってきた本の主人公は若い男性です。

 Mさんは今回初めて読書会に来られた方で、ブックポーカーへの挑戦もこれが初めてでした。僕とMさんがやり取りしたのは2ターン目で、まだあまり慣れもなかったため、Mさんは半ばオウム返し的に僕が質問したのと同じ内容を尋ねていたように思います。それだけに書き起こしやすかったのと、受け答えの対照性が見えやすいのとで、今回真っ先に再現してみました。実際には僕が訊いた内容と相手が尋ねた内容がまるで違うということもしばしばあり、思いがけない質問に面喰うこともありました。その事例は後でご紹介したいと思います。

 このやり取りは、具体的な情報の動きが多く、ヒントの多い会話になっています。実際、「戦前」「関東の郊外」「無職」はMさんの持ってきた本を推理する段階で大きなカギを握っておりました。もっとも、かくいう僕も、Mさんがとても具体的に話されるので、あまり漠とした答えでは悪いなと思ってしまい、自分の持ってきた作品の舞台を「日本の北のほう」と答えてしまいました。他の方にはただ単に「日本」としか答えていませんでしたから、これはまあまあ具体的な答えだったと思います。

◇     ◇     ◇

 今の記述でお分かりいただけると思いますが、会話フェイズのやり取りは本当に人によって違いますし、こちらから与えてしまう情報も相手によって本当に大きく左右されてしまいます。もっとも、繰り返しですが、だからこそこのゲームは面白いのです。

 最初の質問である「この本の魅力は何ですか?」への回答1つとってみても、本を推理するうえで手掛かりになるものもあれば、全然ヒントにならないものもあります。例えば、「ありそうでなかった作品。ジャンル自体の行き詰まりを打開させてくれた」と言われても何のことだかサッパリですし、「設定が意外」なんてもっとわかりません。「人と人との間の物語が紡がれる」というのも、だいたいの本に当てはまる内容ですから絞りようがありません。

 もっとひどい例になると、「本の魅力は何ですか?」という質問に対し、「丁寧さ」という一言だけが返ってきたりします。たまりかねて「何が丁寧なんですか?」と尋ねても「話の運び方が」というだけで全く要領を得ません。この方とやり取りした際には、たまりかねてコインを使ってしまいました。そしてジャンルを訊いてみたところ、返ってきた答えは「人が死にます」でした。「それってジャンルなんですか!?」と思わず追加質問してしまった僕に、その方は澄ました顔で、「まあでも、大ヒントですよ」と言うばかりでした。もっとも、実際「人が死にます」は大きなヒントでしたので、コストの値打ちは十分あったと言えそうです。

 一方で、情報を引き出すもとになる受け答えもありました。例えば、ある方は本の魅力について「普段読まないジャンルで面白かった」と答えました。そこで次に「普段どんな本を読まれてるんですか?」と尋ねると、「ミステリーです」という答えが返ってきました。このやり取りでは、コインを使うことなく本のジャンルを〈ミステリー以外〉に絞り込むことに成功しています。もっとも、この方の持ってきた本を絞り込むにあたって最終的に役立ったのはこの情報ではなく、作品の舞台についての回答(「海外で複数あります」)と、紹介本にうっかり残っていたあるアイテムだったのですが。

 それから、こんなやり取りもありました。僕の質問だけ抜き書きしてみましょう。

「持ってきた本の魅力を教えてください」
「学び、ですね。学びや気付きを得られることです」

 この回答は明らかに他の方と毛色が違います。そこで、もしや小説じゃないのでは、という推測が成り立ちます。が、小説から学びを得る人もいるでしょうから、ここは慎重にならなくてはいけません。

「学びというのは具体的にどんなものですか?」
「うーん……教養や考え方ですね」

 教養という答えからいかにもそれっぽい感じがして、自己啓発本じゃなかろうかという推測はますます強固になります。そして、ここで繰り出した第3の質問に対して、それを言っちゃあバレるだろうという回答が飛び出すことになるのです。

「作品の舞台はどこですか?」
「あー、どこでもいけますよ」

 案の定、この方が持ってきていたのは自己啓発本でした。

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 ここで、僕が最も「やばい!」と感じたやり取りをご紹介したいと思います。その時のやり取りのお相手は、かの“謎解きクイーン”でございました。

 そもそも、この方が“謎解きクイーン”の異名を持つのは、全国各地で行われている謎解きゲーム・脱出ゲームにおいて50%以上という驚異の成功率を叩き出しているという理由によります。それだけ洞察力・推理力に優れ、頭の回転が早いことが伺えます。さらにこの方、相当の度胸の持ち主で、読書会の後にカードゲームなどをやっていると、必ず積極的なプレイに出てゲームを揺さぶりに来ます。リラックスした普段通りの表情で「ふぅん」とつぶやいているだけのようで、その実、場の展開と手持ちのカードを見比べ分析していて、思いがけない一手を繰り出すのです。油断のできない人というのは彼女のような方をいうのでしょう。もちろん、普段はとても周りを見ておられて、読書会初参加の方々ともよくお喋りされている優しい方でございます。

 さて、クイーンは会場中ほどに置かれた革張りのソファに腰かけていて、ゲーム中そこから一歩も動かずに我々下々のプレーヤーを傍らへ招じておいででした。そして6番目に僕が呼び寄せられました。この時点でそこそこ緊張します。雰囲気に圧倒されるというのはこのことでしょう。

 そして、クイーンから発せられた質問は、他のどのプレーヤーからも出てこなかった独特のものばかりでした。僕はすっかり動揺してしまい、迷いながら答えていきました。あいにく僕が訊かれたことの方はメモが残っていないので、覚えている範囲でしか書き出せませんが、次の2つは特に「うわっ!」となった質問です。

「主人公は男性ですか、女性ですか?」
「男性です」

 ここまではありきたりな質問だったのですが、

「主人公は自分に似てると思いますか?」

 ここで「えっ!?」となりました。なんだろう、この質問。こんな質問で本が絞れるのだろうか。いやしかし、クイーンと読書会で顔を合わせるようになって早半年以上が経つ。バレないとも限らない。なんにせよ、ここは正直に答えるしかない。

「……主人公は、僕より立派な人間だと思います」

 そしてもう1つ、本当に困った質問がありました。

「その本は、何か有名な賞を受賞していますか?」

 こう訊かれた瞬間、僕の脳内は一大パニックに陥りました。そう、図星だったのです。ブックポーカーには、答えたくない質問には「ノーアンサー」と答えることもできるというルールがあります。しかし、ここでこの質問に対し「ノーアンサー」と答えるのは、「受賞しています」と答えるのと同じようなものではありませんか。どう足掻いても真実は明るみになる。ならば——

「受賞しています」

 僕は正直に答えました。そしてこの瞬間、「ああ、クイーンには当てられてしまう」と負けを悟ったのでした。

 ところが、ここで思わぬ運命のイタズラが起きます。僕よりカッコいい男性を主人公にした、有名な賞を獲った本、それも、ジャンルや知名度を含めて実に似たり寄ったりの本が、もう1冊出ていたのです。結果的に、これだけのヒントを得ていながら、クイーンは僕の持ってきた本を当て損ねてしまいます。

 ちなみに、クイーンの持ってきた本について、僕は次のような情報を得ていました。「わくわくする」「人って変われるんだと思う」「舞台は現実にない」「主人公はいっぱいいて、それぞれ違う」「けれども短編集ではない」「出版されたのは1900年代」——このうち、「舞台は現実にない」と「出版されたのは1900年代」というのが特に大きなヒントになり、僕の方は推理に成功します。特に、1900年代という漠とした答え方が、逆に本の出版年が古いことを示唆しているのではないかという読みが当たったことが奏功しました。

◇     ◇     ◇

 では、そろそろ答え合わせの時間に入りましょう。まず、僕が持っていった本が何だったのかを明かしたいと思います。折角ですから、写真を再掲しておきます。

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 文中で示した情報を確認すると、僕が持ってきた本は、「情熱を感じられる本」で、「舞台は日本の北のほう」、出版されたのは「平成」で、主人公は「僕より立派な若い男性」です。そして、「有名な賞を受賞」しています。さらにダメ押しで2つ情報を開示しましょう(いずれも実際の会話フェイズで明かしたものです)。作品のジャンルは「仕事」、そして、「主要登場人物の数は10名ほど」です。

 僕が持っていった本、それは、宮下奈都さんの『羊と鋼の森』でした。

 こう言うと、クイーンを翻弄した運命のイタズラが何だったについては、皆さんもうお分かりでしょう。そう、僕らの前に並んだ本の中には、三浦しをんさんの『舟を編む』が入っていたのです。「日本の北のほう」という情報が伝わっていたらあるいはバレたかもしれませんが、クイーンに伝わっていたのは、あくまで主人公と受賞歴の情報でした。そのため、本屋大賞受賞2作品にそっくり騙されてしまったのです。ちなみに、『舟を編む』はちくわさんが用意したダミー本でした。ダミー本は見事にその役目を果たしたのです。

 折角ですから、文中で詳しく取り上げた方の持ってきた本だけそれぞれご紹介しておきましょう。Mさんが持ってきていたのは、佐藤春夫さんの『田園の憂鬱』。本のジャンルを「人が死にます」と答えた方の持ってきた本は、東野圭吾さんの『新参者』。自己啓発本だと丸バレの回答をしてしまった方が持ってきたのは、本田健さんの『一瞬で人生を変えるお金の秘密』。そして、クイーンが持ってきたのはC.S.ルイスの『ライオンと魔女』でした。

 そうそう、ジャンルを絞ったにも関わらず結果的に他の要素で答えがわかってしまった方が1人いらっしゃいましたが、この方が持ってきていたのは『シティマラソンズ』でした。この方から「舞台は海外の複数の場所」と聞き出していたことは本文に書いた通りですが、なんとこの本には、「ニューヨークで、東京で、パリで、彼らはもう一度、走りだす。」と書かれた帯が付いたままだったのです。これが決め手となって僕は答えを割り出すことができました。名付けて「帯バレ」です。逆に言えば、帯がなかったら、僕はこの方の本を当てることができなかったかもしれません。

 皆さんお分かりでしょう。思いがけないものが、ゲームの行方を左右することがあるのです。そして、翻弄の立役者になったアイテムは受け継がれ、はんたいに、うっかり情報を与えてしまうもとになった物事は表から姿を消していくにちがいありません。次にブックポーカーをやるとき、僕らはさらに腕を上げ、策を練り、うっかりに気を付けてゲームに臨むことになるでしょう。その時が今から楽しみでなりません。

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 最後に、ゲームの勝者をご報告しておきたいと思います。優勝したのは、謎解きクイーンでした。やはりクイーンは強かった、不滅の女王だった、そのことを誰もが知る結果になりました。『舟を編む』に翻弄されはしたものの、この1冊を除いて、クイーンは危なげなく正解を重ね、その他のポイントも併せて見事100点を獲得していました。

 ちなみに、僕は90点で3位でした。文中では自慢気に見事当てられた例ばかり挙げていましたが、実際には僕は3問間違えでした。もっとも、前回7月のブックポーカーでは僕は2問しか当てられず最下位の辛酸をなめていましたから、今回は大躍進でした。なお、僕は1人の参加者に、その方が本を持っていなかったからという理由で、返してもらったばかりの本を貸していたという事情があり、最初から10点ゲットしていたようなものだったのですが、その10点を差し引いても順位は変わらないので、やはり善戦でした。

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 といったところで、彩ふ読書会日誌・ブックポーカー編を締めくくりたいと思います。また、以上をもちまして、9月15日の読書会レポートは完結となります。ここまでご覧くださった皆さま、本当にありがとうございました。