長々と綴っております5月26日(日)の彩ふ読書会日誌ですが、その最終回をこれからお届けしたいと思います。ここまで、午前の部=推し本披露会を全1回、午後の部=課題本読書会を全3回でお送りしてきました(改めて、午後の部長い……)。これで読書会本編の振り返りは全て書いたことになるのですが——

 京都の読書会では、二部構成の読書会が終わった後も会場をお借りし、読書会メンバー同士が好きなことをして交流する場が設けられています。その名もズバリ、「ヒミツキチオブサクラカフェ」(サクラカフェというのは会場の名前です)。今回の記事では、このヒミツキチの模様を少しだけ覗いてみたいと思います。

 どうでもいいですが、ヒミツを覗いて書き立てるって字面だけ見るとなかなかの所業ですね。『名探偵ホームズ』というアニメの中に「ここはワシの自慢の秘密の隠れ家だ」という悪役の間抜けな台詞が出てくるのですが、それに通じるものを感じます。いや、ほんとどうでもいいんですが。

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 課題本読書会が終わった後、会場では暫くフリートークが続いていました。参加者たちは、多くは元の席に留まり、一部はウロウロしつつ、ほうぼうで話に花を咲かせていました。16時が近付くにつれて、波がゆっくり引いていくように、少しずつ帰る人が現れ、全く自然な流れでヒミツキチは始まっていました。

 もっとも、これはちょっと不正確な言い方で、実際のところ、ヒミツキチで遊びたくてたまらない人たちは、フリートークの最中から、もう堪えきれんわと言わんばかりに、めいめい遊び道具を持ち寄ってそれに興じておりました。

 先月のヒミツキチを過ぎる頃から、読書会ではにわかにカードゲームやボードゲームが注目を集めています。ほどほどの人数が集まらないとできない一方、やればめちゃくちゃ楽しいので、読書会のアフターにゲームはうってつけというのもあるでしょう。今回も何人かのベテラン参加者が家からゲームを持ってきており、メンバーはそれで遊んでおりました。

 僕も、ヒミツキチが始まる前に「どうぶつしょうぎ」というボードゲームで遊びました。これは将棋を簡略化したゲームで、3×4マスの盤面上で、動物の絵が描かれた4つの駒を使って勝負するものです。ライオン(王将)が取られたら負けというのは将棋と同じですが、どうぶつしょうぎの場合はもう1つ、王を敵陣の一番奥まで辿り着かせたら勝ちというルールもあるそうです。駒の動かし方は絵の中に書かれているので初心者でも簡単に楽しめます。相手の駒を取ったら自分の持ち駒として使えるというのも将棋と同じです。

 このどうぶつしょうぎ、これだけマス目が少なく駒も簡略化されているのだから、そう難しくないだろう、などと思ったら大間違いです。なんと理論上盤面のパターンは1億通り以上あるといいます。コンピュータならぬ我々に、その全てを比較衡量し最善の一手を指すなどという芸当は叶いませんが、先を見通し有利な手を選ぶ力は求められます。さらに、盤面が小さい分、ちょっとの油断が命取りになりかねません。ついつい真剣になります。

 これは後になって、どうぶつしょうぎを持ってきた方自身が話していたことですが、「かわいい見た目の割に殺伐とした空気になる」そんなシリアスなゲームなのです。

 ★参考リンク
 3×4マスなのに奥深い・・・子どもも遊べる「どうぶつしょうぎ」の遊び方と魅力について

 実際、僕も、対戦相手も、他に挑戦された方も、凄い形相をして盤面を睨んでいました。さらに、その周りにいつの間にか人垣ができていて、これまた盤面を眺めておりました。かわいい絵柄のゲームを前に、いい歳こいた大人がたかって真剣なまなざしで遊ぶ——

「なんかこれ学童みたいやな。オトナの学童保育やん」

 ある人が言い、ドッと笑いが起きました。このキャッチーなフレーズは、この日の間じゅう繰り返し使われることになりました。ヒミツキチの新たな代名詞、オトナの学童保育がここに誕生したのです。

 肝心のどうぶつしょうぎについていえば、先の課題本読書会ですっかり疲れ、昼寝でもしたいのを必死にこらえて凄まじい形相になっていただけの僕は、何度もいい加減な手を繰り出し、ギャラリーから「あー」という声を浴びせられるうち、呆気なく負けてしまいました。

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 忘れちゃいけないことですが、以上は前哨戦でございます。

 16時を回ったところで、課題本のアフタートークを続けていた人たちが合流し、いよいよヒミツキチは本格化していきました。ゲーム大会は続行し、次々に色んなゲームが出てきました。数字の書かれたカードを裏返しに並べて他の人がその数字を言い当てていくというゲームがあったり、航海しているという設定でのチキンレース式のゲームがあったり。どのゲームもひとしきり盛り上がりを見せておりました。

 が、僕はここには参加せず。というのも、他にやりたいことがあったのです。

 ここでプロジェクターの登場となります。

 一瞬にしてオトナの学童保育を誕生させるサクラカフェという場所は、実際、持っている雰囲気そのものが僕らの遊び心を刺激するような素敵な場所なのですが、そんなサクラカフェの秘密兵器の1つが、このプロジェクター。会場内にはスクリーンや各種ケーブル、更にはスピーカーまで揃っており、パソコンとソフトさえ持ってくれば、いつでも好きな映像が楽しめます。

 このプロジェクター、かつて一度読書会でも活躍したことがありました。3月17日、京都読書会・午後の部。この日の課題本は『宝塚ファンの社会学』。ヅカ部員がかねてより醸成されていた血を沸き立たせたこの日、同時に沸き立ち暗躍した悪ノリ部隊がおりました。この悪ノリ部隊は、読書会をヅカでジャックすることを目論見、様々な奇策を仕掛けたのですが、その中の1つが、実際のヅカの映像を流しながら、ヅカ部のテーマソング「この愛よ永遠に~TAKARAZUKA FOREVER~」を歌うというものでした。この奇策が成功し、読書会が華麗なるフィナーレを迎えたことは当日のレポートに詳しいので、気になる方はご覧ください。

 ★当日のレポート
 3月23日:彩ふ読書会日誌~3/17京都『ヅカ社』編・第三幕~

 閑話休題。当時悪ノリ部隊の一員だった僕は、このプロジェクターを使ったある計画を練っていました。

 次回、6月16日、京都読書会では森見登美彦さんの『有頂天家族』を課題本にした読書会が開かれます。これに合わせて、アニメ『有頂天家族』の上映会をやりたいと思ったのです。そこで、5月のヒミツキチの時間を利用して、機材の調子などを確かめるプレテストを行うことにしました。

 この上映会並びにプレテストを敢行するにあたり、僕は何人かの助けを借りることになりました。実を言うと、僕自身はアニメ『有頂天家族』は未見で、映像ソフトの類も持ち合わせていない。幸い、森見作品並びにインタビュー録全般の生き字引のような人が読書会にいるので、この方にソフトをお借りすることにしました。が、今度はそれを再生する機材がない。生き字引氏が持っていたのはブルーレイで、僕の手持ちのドライブでは再生ができないのです。ある時そんなことをグチっていると、「私のパソコンでブルーレイ再生できますよ」と言ってくださった方がいました。読書会の謎解きクイーンでございます。クイーンをこき使うホーンの始末の悪さを覚えながらも、僕はこの申し出に頭を下げ、協力をお願いしました。

 さて、上映会3人衆が揃ったところで、僕はゲームテーブルを離れ、プレテストに移りました。結論から言うとプレテストは成功し、僕らはそのまま生き字引氏が持ってきた『有頂天家族』1話を最後まで堪能します。とは言うものの、これには汗と感動と筋肉痛の物語が伴うことになりました。その全貌は、後日、『有頂天家族』上映会が終わった後に書くことにいたしましょう。まずは上映会を完遂せねばならぬ。

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 さて、僕のヒミツキチは実質プレテストで終わってしまいましたので、これにて、ヒミツキチ編は終了となります。これだけ言葉を費やしながら、ほぼ何もレポートしていないというこの体たらくぶり……僕はまたも、人の力を借りることにしたいと思います。ゲームテーブルで遊び興じていた方々がレポートを書いておられます。当日の詳しい様子はこちらをご覧ください。

★【京都】5/26サークル活動レポート “ヒミツキチ@サクラカフェ”(のーさん)
 https://iro-doku.com/archives/4821

★彩ふ読書会 ~京都北山 ③ヒミツキチオブサクラカフェ(ちくわさん)
 https://chikuwamonaka.hatenablog.com/entry/2019/05/30/001132

 といったところで、5月26日の彩ふ読書会日誌、全編終了となります。ここまでお付き合いくださった皆さま、本当にありがとうございました。