平成最後の晩餐は焼肉であった。前日のNHKニュースによると、平成最後の晩餐に食べたいものランキングで、焼肉は2位に輝いたという。我が家は決して流行を追わんとする家ではないが、時代の節目にあって考えることは皆およそ同じなのだろう。ちなみに、最後の晩餐ランキングの1位は寿司、3位は和食であった。3位だけメニューの幅が広すぎると思ったが、まあ細かいことを言っても仕方あるまい。

 この焼肉を別にすれば、取り立てて言うべきほどのこともないまま、平成最後の一日が過ぎていった。窓外の海が雨でさざめく中、身体の冷えに注意しつつ蒲団に潜って本を読み、時々意識を失って、気が付いたら辺りは暗くなっていた。まったく平穏であった。