目が覚めると蒲団の中にいた。ずっとそこにいたような気がするし、そうでないような気もする。まさかとは思うが、酔いに任せて喚き散らし、十分お叱りを受けてここに据えられたのだろうか。僕のことだからないとは言えない。

 兎にも角にも、目が覚めてしまったのだから蒲団の外に出ることにする。そういえば風呂に入っていない気がする。確か僕は、妹が風呂から上がるのを待っていた。その時に、待ちきれなくて蒲団にもぐり込んだのだろうか。そんな気もするし、そうでないような気もする。

 時計を見ると朝の5時半だった。日付が変わるまでは起きていたから、睡眠時間は5時間程度。短いが、よく飲んだ日の睡眠時間はこんなものだ。朝になってから風呂だけ浸かってもう一度寝るのも違う気がするし、このまま起きることにしよう。まず日記を書いて、それから本を読んで……

 本?

 そこで漸く思い出した。そうだ、僕は妹が風呂に入っている間、リビングの椅子で本を読んでいた。とすると、ここからは想像だが、僕は本を読んでいるうちに寝てしまい、そして、心配とも呆れともつかぬ感情を抱いたであろう妹に寝床へと誘われたのであろう。

 僕は湯船の中で深いため息をついた。

◇     ◇     ◇

 2日続けて寝落ちして、しかも2日続けて日記の初めに寝落ちの話を書く。芸もセンスもあったものではない。が、いまの自分を起点にあれこれ思いを巡らそうとすると、自然こうなるのである。何卒ご容赦願いたい。

◇     ◇     ◇

 夕方になって上の妹が隠遁先へ到着し、晩は宴会となった。盛況した飲み会ほど語るに値しないものはないという鉄則に従えば、この話は書けないということになる。代わりにそれまでの話を書こうとすると、これがまたとりとめもない話になる。

 新聞を買いに出て、戻って朝食を摂る。犬の散歩をして、家に戻って本を読む。昼食の調達に出たところでなぜかスーパーをはしごする羽目になる。遅い昼食のあとは走りに出る。そうすればもう夕方だ。

 怖いくらい贅沢に時間を使っている気がする。それでいいのだけれど。

 さて、そろそろ筆を置いて本を読もう。結局、殆ど寝落ちの話しか書いていないけれど、まあこれもこれでいい。