久しぶりに早い時間に家に帰れたので、ジョギングに出掛けることにした。いつものように、家から3キロほど離れた公園まで走っていき、1.6キロのランニングコースを2周してまた帰ってくる。公園まで遠いのが厄介だが、近所で唯一100mおきに看板が立っていてペースを刻みやすいスポットなので、やはりこの場所がいい。

 来月の半ば、久しぶりにロードランの大会に出るため遠征することになった。行き先は福井県で、上司・先輩と一緒に行く。どちらかと言えば、大会よりもその前後の飲み会が目当てなんじゃないかというような遠征である。が、他の方の事情はどうあれ、僕はやっぱり出るからには相応の準備を積んでおきたいと思う。近頃すっかり鈍ってしまった身体を、温め直しておきたい(そういう心積もりの人間にとって一番おっかないのは、大会前日に設定されている飲み会であるが、まあその話はやめておこう)。

 本当は大会などなくても継続的に走ったり、ほかの方法で運動したりする方がいいんだろうなとふと思う。この前読んでいたある本に、健全な身体に健全な精神が宿るというのは、それこそ健全すぎて辟易とする考え方だけれど、しかしやっぱり正しい、というようなことが書かれていた。そんな生半可な記憶を辿るまでもなく、自分自身の経験としても、肩が凝っている時と凝りがマシな時とでは気の持ちようや周囲に対する感度が違う気がする。身体の動きが悪いと何かと億劫になりがちだが、そのしんどさを打ち破る最良の方法は、実は動くことなのかもしれない。

 さて、ジョギングの方はひたすらぎこちない走りだったが、ここ最近では一番いいタイムが出た。少し速いペースで走り出したのが功を奏したらしかった。

 しかし、困ったことが起きてしまった。家まで戻ってきた途端、やる気が吹っ飛んでしまったのだ。疲れたし、まあ今日頑張ったし、もうええんちゃう、そんな気分。いまにも寝てしまいそう、というか、実際1回寝落ちしたくらい。何が言いたいかと言うと、課題本の読書が全然進んでいないのである。思わず苦笑する。何が健全な精神だ。——まあいい、あと3日で読み切ろう。