学生時代からの友だちと花見に行った。場所は大阪城。定番すぎて意外と行ったことがないからこの機会にという話になったのだ。ところが、僕は定番にベッタリ従うことにどうも耐えられなくて、何かひとひねり加えたいなどと考えてしまう。

 そうしてまとめサイトを見ているうちに、発見した。

 大阪城公園、そして毛馬桜之宮公園の桜は、水上バスから見ることができるという。

 この話を友だちにしたところ、程なく、「期間限定の桜クルーズっていうのがあるよ」と教えてくれた。大阪城港発着の水上バスで、桜宮橋との間を往復30分で巡るという。これにしようとすぐさま話をまとめ、予約を取った。

 こうして、大阪城お花見ツアーは、川から桜を見るツアーへと変貌を遂げた。

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 4月7日、大阪の桜はほぼ満開だった。川の両側にどこまでも続く桜並木は本当に綺麗だった。途中、バスが桜吹雪の只中に入っていき、屋根のない船上に花びらが舞い降りるという夢のような一幕もあった。

 川には他にも、通常運航の水上バスや、貸切の屋台船が沢山出ていた。水上バイクに乗っている人たちもいて、なんだかとても楽しそうだった。

 川にかかる橋を渡る人や、川べりの道でお花見をしている人が、こちらに向かって手を振っていた。僕らは写真を撮りながら手を振り返した。その時ふと、いつも「あの人たちはいいなあ」と思って眺めている側に自分がいるような気がして、誇らしいような嬉しいような気持ちになった。

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 それでは、ここからはアルバム形式でお送りしたいと思います。川から見た桜の姿、ぜひご覧ください。

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 30分のクルーズが終わった後、僕らは一度カフェに寄ってドリンクをテイクアウトし、それから再び川べりの道に戻った。そして桜の木の下に続く長い石段の一画に腰かけ、話しながら桜を感じていた。じっくり見ていたわけではないから、あくまで感じていたのだと思う。時折風で桜が舞い、僕らの服の上に降りた。それが綺麗で、儚くて、愛おしかった。落ち着いた時間が瞬く間に流れていった。