この週末にやり終えたいと思っていたことが1つある。10月8日に京都を訪れた時の紀行文を書き上げることだ。今日夕方17時前、大阪駅と北新地駅を結ぶビル街の地下飲食店街にあるセルフカフェの一画で、私はそれを書き終えた。

 3週間も前の紀行文にこだわっていたのにはちょっとした事情がある。1ヶ月前、私は会社の先輩からあるお題を出された。

「銀木犀をテーマに何か1本書いてほしい」

 この珍妙なお題が出るまでの経緯は長くなるので割愛しよう。私は当初「無理ですって!」とゴネていたのだが、いつの間にかやる気になっていた。しかし、1本書いてほしいと言われても、私には想像力がないから物語は書けない。そこで考え付いたのが、銀木犀を見に出かけ、その一部始終を紀行文に書き起こすという方法だった。果たして私は京都府立植物園を目的地に据え小旅行に出掛けた。それから3週間、随分時間が経ってしまったが、何とか紀行文は完成した。

 さて、今日の日記では元々、この紀行文を書き進めるべく敢行したカフェ巡りの模様を綴る予定であった。家にいては作文が捗らないと判断した私は、朝のうちから大阪まで出掛けた。そして、洋風ランチの昼食を挟みつつ、カフェを2軒回って紀行文を書き上げた。それぞれのカフェはどんな風だったか、紀行文を書いている時どんなことを考えていたのか。そんなあれこれを家に帰って書くことを、私は予め想像していた。

 ところが、家に帰ってしまうと、私は元の怠け者に成り果てた。昼間に6千字も書いたじゃないか、もう今日は何も書かなくてもいいだろうと、日記さえ投げ出してしまいそうであった。それではいかんと気を持ち直して、いまやっとこれを書いているという次第である。

 おっと、6千字書いたくらいで驚くなかれ。今回の紀行文は全部で1万5千字ある。

 先輩聞こえていますか。全部で1万5千字ですから覚悟して読んでくださいよ。

 幻のカフェ探訪紀行は、ある時突然回想録のような形で浮上するかもしれないし、このまま消滅してしまうかもしれない。まああまり期待はできない。無情にも時は過ぎる。これが日記である以上、時の流れには抗えないのである。